大勢と飲むのも、もちろん楽しいが家で嗜む酒も乙なものです。
物思いにふけるも良し。好きな映画を肴にするもよし。友人とオンラインで飲むもよし。
宅飲み需要の増加に合わせてお酒を探しに行き、酒屋の方に聞いたおすすめの一本を用途別で聞いてみました。
(予算は大体一本三千円程度)
今回は銀座君嶋屋さんにてお酒をご紹介いただきました。
①一人で晩酌用。
想定三〇代男性の土曜日の17時のしっぽり飲みです。
「今週も疲れたなぁ」。そんな声も聞こえてくるかのような設定です。
そんな人におすすめなのがこの日本酒です。
篠峰‐shinomine-生酛 純米 無濾過生原酒 1430円
すっきりとした味わいとフレッシュな味わいが特徴。ほんのりと香るナッツの風味が香ばしさを感じさせてくれます。
口に含めば、旨味と酸味が口の中に広がります。そして、この日本酒の一番の特徴は、生酛(きもと)づくりであるということです。
生酛づくりとは、1700年頃に確立した伝統的な製法です。
簡潔に生酛づくりを説明すると、日本酒の発酵の元となる酒母を手作業で作ることです。人口のものを使わずに、天然の乳酸菌を用いています。
すべて手作業で行うこの製法は今や日本ではほぼ行われていません。
ほとんどの日本酒は今即醸造という製法で作られており、日本で生酛づくりはレアなお酒と言えると思います。
ちなみに即醸造とは乳酸菌を人口のものを用いて作られたものを言うらしいです。
おすすめのおつまみは、お肉系の料理が合います。
生酛づくり特有のミリンっぽさが、お肉の脂っぽさを落としてくれるために、お肉特有の旨みを堪能することができるためにおすすめです。
お手軽に合わせるなら、セブンイレブンの生ハムが合うようです。
➁友人とオンライン飲み会。
想定は20代から30代くらい。お酒のおいしさをまだまだ知りたい年齢です。
最近増えてきたのがオンライン飲み会です。
いつもの缶チューハイじゃ寂しくないですか。
少し背伸びをしつつ、しっかりとお酒のおいしさを探求できる一本を紹介していただきました。
古澤醸造場 ひとり歩き 芋焼酎 1276円
こだわりは芋の品種です。ジョイホワイトという品種を使用しており、三年間熟成させました。
ジョイホワイトの特徴は、キンカンのような柑橘系のようなフルーティな甘味が特徴。平成七年に誕生した焼酎専用のサツマイモです。
宮崎県日南市の焼酎で、おいている店舗は少なく結構レアです。
裏ラベルに書かれている言葉が作り手のわが子を見るような優しい思いに包まれています。
「本格焼酎「ひとり歩き」は、新しい南九州の焼酎として歩んでほしい……。」
その思いを込めて名付けられたのが、「ひとり歩き」。いい名前ですね。
水割り、ロックで飲むのがおすすめです。
お酒に強い方は、1:1で、お酒に弱い方は2:3でなど。自分の飲み方を見つけるのが焼酎の楽しみの一つです。
最後までゆったりと楽しめる飲み方をこの一本で探してみてはいかがでしょうか。
お酒の道の「ひとり歩き」を始めてみましょう。
おすすめのおつまみは練り物なんかがおすすめです。
九州では、さつまあげや笹かまぼこに合わせて飲まれることも多いようです。
あと、おでんにもよく合うようです。
その際には温度を合わせて、熱燗で飲むのがおすすめです。
③家族との晩酌。
妻と二人。今夜は久々においしいものとおいしいお酒が飲みたい。
30代から40代を想定しています。
まずは食前酒。アペリティフなんていいます。
食前酒には、食欲増進や会話を弾ませるためのもので18世紀のイタリア発祥とされています。
食前酒にはやはりスパークリングということでおすすめはこちらです。
ナヴェラン カヴァ・ペルル・ロゼ 2018 3168円
品種ピノ・ノワールを使用している。若々しいミネラル感とさわやかな酸味が感じられます。口当たりはクリーミー。そしてドライ。
このお酒は、シャンパンと同じ製法で泡が作られています。瓶内二次発酵という製法を用いており、昔ながらの製法のため「トラディショナル製法」と呼ばれています。
きめ細やかな泡が一番の印象です。すっきりとしているのにも関わらず、果実味がガツンと感じることができる。
しかも飲みごたえもしっかりとあり、スペインの雰囲気を感じることのできる一本となっています。
丁寧に作られた上質な泡がよりおいしさを引き立てる一本になっています。
メイン:ビーフシチューをメインにしていると仮定しました。
モンテプルチアーノ ダブルッツォ2016 2420円
イタリアワインの良さはしっかりとした輪郭にあります。はっきりと感じられるブドウの味わい、そしてみずみずしさ。イタリアの様子がまるで目に浮かんでくる。このワインにもその味わいが存在しています。球体のように滑らかで、ジューシーでみずみずしい果実の味わい。
ブラックベリーの風味とタンニンのほろ苦さが加わってすっきりと飲める印象がありました。口の中で広がるみずみずしさに、二人の会話は弾むことが予想されます。
ワインの濃さは温暖な地域に行けば行くほど濃くなっていきます。熱い地域で作られたアメリカカリフォルニアや赤道に近いチリワインなどの新世界ワインの味の濃さの由来はそこにあります。このワインもイタリアの燦然と照り付ける暖かな日差しを受けしっかりとした味わいになっています。
おすすめのおつまみの代わりに、料理にひと手間を加えさせてください。
トマトの酸味が合うので、トマトの味を感じられるビーフシチューにするとお酒とマッチするのでお勧めです。
番外編カレーに合うワインを聞いてみた。
コート・デュ・ローヌ
ルージュ・ル・タン・エ・ヴニュ2018 2640円
フランスのローヌ地方が産地であり、ここのワインの特徴はスパイス感です。その特徴がこのワインにも見られて、香草やアニス、スパイシーな香りが口の中を包みます。程よいコクと豊潤さがきらめく味わい。
なんといっても口に含んだ時に感じられるのは、スパイスの香りとまろやかな果実の甘味でした。二つがマッチしたこの一本はどこか異国情緒を感じさせます。
もともとこのワイナリーのメインの品種は、シラー100という品種を使っておりました。しかしこのワインを作るにあたって使用されたのは、グルナッシュという品種のブドウでした。思い切った決断の中で作られたのがこのワインだったのです。
そこでつけられた名前は「コート・デュ・ローヌルージュ・ル・タン・エ・ヴニュ」、「時は来た」という意味が名付けられました。
特別な時におすすめしたい一本になります。
おすすめのおつまみの代わりのひと手間
洋風カレーなんかにするとより一層ワインに合いますので、おすすめです。
カレーをバターチキンカレーにして食べてみましたが、コクを引き立てるような味わいになりぜひ料理と一緒に飲んでみてほしいです。
自粛期間を生かして、お気に入りの一本を見つけてみましょう。
今回ご協力いただいた店舗の情報
店名 | 銀座君嶋屋 | |
住所 | 東京都中央区銀座1-2-1 紺屋ビル 1階 | |
電話番号 | 03-5159-6880 | |
営業時間 | 月~土 10:30-20:00 日・祝 10:30-19:00 |
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アクセス | 東京メトロ「銀座一丁目駅」3番口から徒歩1分 | |
公式ホームページ | https://kimijimaya.co.jp/shop/ginza | |
クレジットカード | 【クレジットカード可】【免税店】 | |